「アナと雪の女王2」を2回観た理由

映画
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【SPOILER ALART】この記事は「アナと雪の女王2」ネタバレを含みます。
要素として「シュガー・ラッシュ オンライン」のネタバレも含みます。




はじめに

さて、私が映画館に何度も足を運ぶことになった理由なのですが、大きな理由としてはストーリーが難解だったから、です。
そんな理由かよ!と怒られても仕方ないですが、正直そう思ってます。

実際に1回目の鑑賞時は「複雑だな」という感想でした。アナ雪1も復習のため観たのですが、やはりはるかに2のが内容が深く情報量が多く感じました。全然子供向けじゃないじゃん、と。(子供は子供で絶対楽しんでるんですけど、多分完全に違うところを見てると思う)
この難解さが、夢中になった理由の一つです。
そのため、整理の意味も込めてこの記事を書留めたいと思います。

今回のアナ雪2のテーマですが、どうしてもこれがはっきりと分からなくて。
ただ私の答えとしては、「違いを恐れず、互いを信じる」というところに落ち着きました。
いわゆる「ディズニー的教訓」である1つの答えを導き出す物語ではなくて、アナとエルサが別の立場から問題に立ち向かい答えを探す話なのではないでしょうか。違うのかな。わかりません。でもこれを背負って今回は話を拡げます。

この答えを彼女たちがどのようにして劇中で見つけて行くのかを、場面ごとに見ていきたい(そして所々に私の超個人的感想も挟んで進めていきたい)と思います。

エルサの答え

冒頭から謎の声に呼ばれるエルサは、変わって欲しくない今ある幸せと心が求める自分の力の真実の間で揺れます。
そりゃ、妹を傷つけ長年城に閉じ籠り自身の性格も歪める理由となったこの力の真実、知りたいですよね。わたしも呼ばれたら行くと思う。

そこでくる「イントゥ・ジ・アンノウン」(Into the Unknown)、めちゃくちゃ良かったですね。巷でもよく言われていますが、曲だけ聴いたときより本編で観たときのが良かったと。いや、映像が今回本当に素晴らしい。

エルサがこの声に呼応したことで、4つの精霊が動き出し、旅に出ざるをえない状態になります。
後から考えると、呼応=真実を知る準備できました!ってことになったのかな。エルサの心の準備ができるまで、アートハランは待っていたのでしょうかね。

エルサが声を追う理由は、森の中で入れ替わり立ち替わりするのですが、エルサは「声」がある場所に「自分の力の真実」がありそこに行くことで全てがわかることを確信していたのではないでしょうか。
それ故に「真実を知る喜び」を常に表情に携えていたように感じます。そう感じさせるCGの演技力が凄すぎる。
心が求めるものを追っているとき、人はああいう表情をするんですね。わたしがパークにいるときもきっとあんな表情なんだろうな…(もっと気持ち悪いかな…)

そして「みせて、あなたを」(Show Yourself)がくるわけです。

わたしはエルサが目を潤ませて歌うあの冒頭の20秒あたりが大好きなんです。なんですかあの表情。アニメーションであんな表情ができるんですか。ここで既に涙腺崩壊しているのですが、さらに追い討ちをかけるように曲はどんどん盛り上がり、1分30秒を過ぎたあたりで完全にLet it goの階段駆け上るシーンと同じシチュエーションです。解き放ったエルサパート2です。やっぱり曲構成はこちらの方がLet it goっぽくないですかね。それはいいんですが、もうアートハランの雪の影と光がエルサの顔に映っているのはアニメーションの最高峰です。曲と映像が素晴らし過ぎて、エルサの美しさが眩しく、こんなに幸せそうなエルサを見れたならもういいや、という気持ちになりました。Into the Unknowであれだけの物見せておいて、こんな隠し玉を用意していたとは、恐ろしい。

このシーンについては後ほど語ります。
無敵そうに見えたエルサですが、子守唄All Is Foundで警告されていた深い真実である祖父=アランデールが犯した罪を知り凍ってしまいますが、そこはアナの活躍で無事氷は溶けアランデール崩壊を救い、一件落着、ということです。

エルサは家族と別の道を歩むことへの戸惑いはありましたが、自分の心の声を信じ、真実を見つけ、仲間を信じた結果、別々の道でも救い合うことができたのでしょう。

アナの答え

アナがメインで歌う「ずっとかわらないもの」(Some Things Never Change)から、アナが誰よりも強く、ずっと家族が一緒にいることや変わらない幸せを願っていることが見て取れます。
だって今が幸せだから、この幸せを維持したいと願うのは当たり前のこと。

しかしやっと同じ幸せを手にした大切な姉が、自分とは違う危険な道へ新たな幸せを求めに行こうとしている。大切な人の決断と自分の幸せの間で揺れるアナ。そして、彼女の不吉な予感は的中し、たったひとり孤独になるシーンがやってきます。

今までこんなにディズニーキャラを絶望させる展開はあったか?ってくらいのどん底。しかもあの底抜けに明るいアナを相手に。これは見ていて辛かった。

このシーンでのアナの曲、「わたしにできること」(The Next Right Thing)ですが、初見は地味だなぁと感じました。正直その前にめちゃくちゃエモーショナルなエルサの曲があった対比もあってのことだと思いますが。

日本のアニメですと、オラフのようなヒロイン側近のキャラが死ぬ展開って結構あると思うんです。通常ですと「泣いてちゃダメ!立ち上がらなきゃ!」の最強感ある復活を遂げる場合が多いです。
しかしアナの場合、苦しい中でも少しずつ前を向こうと「一歩ずつ、今できる正しいことをことをやろう」と歌います。

2回目の字幕で気がついたのですが、ここで出てくる“Do the right thing”は、アランデールから丘に逃げたときにオラフが使ってましたね(wikiもある有名な慣用句です)。そのあとエルサも同じ言葉を発してました。2人の言葉を歌っていたことに気づいてさらに泣く。現実離れしないメッセージが静かながらも響きました。

そこからエルサの残した真実から正しいこと=ダムをぶっ壊して、エルサ生きてた!オラフ復活!クリストフプロポーズ!の三段構えで持ち前の明るさを取り戻します。よかった。

全体を通して「愛する人たちと別の道を歩むこと」をアナが一番拒んでいたように感じました。しかし例えバラバラになっても互いを信じ正しいことを行えたアナがアランデールの女王になるのはぴったりだと感じます。
エルサとは違う道を歩むことになりますが、それぞれの道でThe Next Right Thingをすることが、彼女の幸せの答えなんだと思います。

クリストフについて

とても個人的な話ですが、クリストフが1の時から好きだったのです。彼の魅力は1のトロールたちが余す事なく全て歌ってくれてますので聴いてください。

しかし今回は良い見せ場が少なくて、お笑い担当みたいになっちゃいました。
トナカイと話す以外はシャイだけどまともな人間だと思っていたんですが、やっぱりトナカイと一緒だと彼はちょっと道を外れた感じになるんですね。

例の曲は何度も聴けばとても好きになるんですが、初見では笑っていいのか真面目なのかすごく悩みました。彼のことは好きだけど昔のMTVのようにフェードインしてくるどアップはやめてほしい。(IMAXは本当にキツかった)多分これもCGの技術が向上しているからできる映像なんだろうと思いますけど。日本人には馴染みがないため、「演出が古くて笑えちゃう」みたいにならないんじゃないかな。そして子供は特に。懐かしさすら分からないのでは…どう思ったのか聞きたいです。
余談ですが、プロポーズ失敗してライダーにI know the woodsってクリストフが言うんですが、その後歌う曲のタイトルがLost in the woodsってのが良いですね。

しかし終盤で素晴らしい見せ場がやってきます。
ロックジャイアントを連れて走ってくるアナに対して「どうすればいい?」と聞き「ダムまで走って!」という彼女に理由を聞かず、颯爽とダムに向かって走ってくれるのです。これを見て感涙。だってアランデールを守る大切なダムですよ。マティアスさんの動揺が普通の反応だと思います。クリストフはただアナのことを信じているからできる行動。やっぱり最高にかっこいい。あのPVのことは忘れるくらい超絶かっこいい。あの二人にはベストカップル賞あげたい。
そして、彼はプリンスになる訳です。これからもあなたがナンバーワン。

4つの精霊と声とアートハランとエルサ

この旅はエルサが声に呼ばれ、4つの精霊に誘い出され、声のありかであるアートハランに向かいます。
あの声は結局なんなのか、エルサの力は何だったのか、はっきりと言葉では語られません。ただアナが「母が父を助けたご褒美がエルサの力」「エルサが5つ目の精霊だった」というようなセリフを残していることからそれは間違いのない答えなんだと思います。

また、「みせて、あなたを」(Show Yourself)にて声の正体を明かしています。
でもこれ日本語だととてもわかりづらい。私は1回目全然分からなくて、声=お母さん?と思ってました。

日本語だと一番盛り上がる部分でエルサが「見つけた」と歌う部分です。その後、「待ってたのはあなた」と歌いますがこれだとすごくわかりにくい。
英語歌詞は “I am found” と歌っています。完全にエルサ自身が「”私”を見つけてもらえた」とエモーショナルに叫ぶのです。

さらに英語ですと中盤で、“You are the answer I’ve waited for all of my life”(私がずっと待っていた答えはあなた)という歌詞があるのですが、この歌詞が途中で変わります。

“I am found”を受けて、“You are the one you’ve been waiting for all of my/your life”(あなた自身がずっと待っていた答えはあなた)に変わるのです。(ここは記憶の映像で母イドゥナが歌います)
なんだか書いていて、思い出し泣きしそうになってきました。
となると、エルサ=声と理解して良いのではないでしょうか。

そして、エルサは5つ目の精霊(≒人間と自然の魔法を繋ぐもの)として生まれた魔法の力を持った人間と私は解釈してます。
あの世界の基準が分からないのですが、おそらく100%マジカルな存在ではないのではないかと。一応父と母が人間でその子供なので、人間ではあるのかなと。精霊って万能なイメージなので、深く語られていないので推測ですが。

また、アートハランで真実に触れて凍ってしまった(歌詞に則すと溺れてしまった)ことも人間っぽいですよね。凍った原因としては、子守唄の通りですが、現実的に考えると記憶が眠る場所を凍らせてるのはエルサ自身だと思うので、深く知るために全て凍らせると自分も凍ってしまうよね、という。

エルサはそれまで自分の正体(=真実)を知らなかったため不完全でした。アートハランで自分が何者なのかを確信したことが、完成形のエルサになれた理由なのでしょう。

でも具体的にエルサの一部がアートハランから呼んでたのかのかとか、そういう物理的なことはわかりません。これ以上は私のちっぽけな脳では絞り出せませんでした。すみません。でもこれ以上はジェニファー・リーとクリス・バックに聞いた方が早そうですね!

結論

しあわせの形や考え方、性格、生き方はそれぞれ違う。たとえ血の繋がった姉妹でも。自分たちと違うことを恐れた結果、アナ・エルサの祖父はノーサンドラを襲い悲劇が起きた。いつも「同じ」であることが必ずよいこととは限らない。違いを恐れず互いを信じることが、この映画の教訓なのかなと思います。

「シュガー・ラッシュ オンライン」の上位互換なメッセージもあるのかなと思いました。気づけばこの2作は似通った部分がある気がします。シュガー・ラッシュも変わりゆくヴァネロペとそれを見ているラルフ。ラルフの立場をアナがポジティブに変換してくれたような感じがします。

「ずっとかわらないもの」(Some Things Never Change)については、あの結末を否定している訳でなくて、何かが変わってしまっても一番大切なものは変わらないよ、という曲に捉えてあげることできるかと思います。

混沌としているけど、それでも魅了し続ける訳

ここからネガティブな意見も含みます。

今回は続編でキャラを深堀しなければならず、さらに冒険物で新しい設定も増えるし、2時間に納めるのはそもそも無茶だったと思うんですよ。主人公も一応二人ということになっているし。サントラ見てOuttake(カットされた曲)がどれだけあるんだよ!って感じでした。
ですので、話があっちゃこっちゃした感じは否めません。

エルサが声を追う理由が「自分の力の真実を知る」だったのに「アランデールを救うため4つの精霊を止める」が加わり「アランデールとノーサンドラの戦いの真実を知る」が加わり、みんながそれぞれの道を進むので、結構見ている側は大変でした。
多分エルサはなんとなく自分の力を知ることがすべての真実に繋がることを知っていると思うのですが、観客はそれが分からないので結局何しに北へ向かっているんだっけ?となってしまった感じはあります。

この映画、頭があまりよくない私には正直難解で、一度観ただけではよく完全に理解できず、1週間悩んで出した答えがこの記事です。
世界のキッズはきちんとこの映画を理解し、メッセージを受け取ることができているのか?と心配になりました。インタビューしたい。

それでも、2013年にレリゴーさせなかった私をここまで夢中にさせたのは、やはりアナ雪マジック(という名の素晴らしい最先端技術を駆使したアニメーションと映像を凌駕するレベルの音楽と魅力的なキャラクターと奥深いストーリー)のおかげなのでしょう。

彼女たちのことがもっと好きになったのは間違いないです。ありがとうディズニー。

そして…公開から1週間、読むのを避けていた他のブログやインタビューを読んで撃沈することが目に見えています。素直に気持ちを書いたので良いことにしてください。オラフのことも書き忘れたけど、良いよね。オラフは語る必要ないくらいみんなよくわかっているはず…

次は正真正銘、WDWレポに戻ります!お読みいただきありがとうございました。

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